卒業生からのメッセージ |
その人らしさを取り戻すために 共に解決策を見つける |
2017年卒業
2015年 健康メディカル学部 臨床心理学科卒業
2017年 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻卒業
堺 高興 さん
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医療法人社団成仁 成仁病院 勤務 |
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現在の仕事について教えてください。
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精神科病院で心理支援職として働いています。 心理検査などで症状を見立て、治療方針を考えて、回復を手助けするのが主な仕事です。 患者さんに1対1で向き合うカウンセリングでは、悩みや今後どうなりたいかをうかがい、一緒にその実現方法を考えていきます。
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なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?
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「人の心」に興味を持ったことと、身近に精神疾患のある親族がいたことがきっかけです。 また当時、プロファイリングをテーマにした海外ドラマが好きだったこともあり、人の心を読み解く心理支援職という職業への憧れもありました。
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実際に働いてみてどうですか?
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心理支援職は、マジシャンや魔法使いではないと実感しています。 学生時代には、心理支援職になれば、相手と対峙して話をするだけでその人の気持ちがわかり、どうすればその悩みを解決できるのか、すぐに提示できるのだろうと思っていました。 しかし現実はそうではなく、心理支援職は時間をかけて患者さんと話し、どこで躓き、何を悩むのかを聞いたうえで、心理学の理論に基づいて一緒に解決方法を考え、解決に向かう手助けをする必要がありました。
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この仕事のやりがいは?
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患者さんが、本来持っている力を取り戻していく姿を見られることが、やりがいです。 この仕事の本質は、本来持っているその人の力を取り戻していくこと。 治療を通して、その人らしさを取り戻し、その人らしい人生を送ることができるようになることを常に目指しています。
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どんな学生時代を過ごされていましたか?
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友だちと一緒に食事に行ったり、勉強したりしたことも思い出に残っていますが、特に印象深いのは、卒論指導の先生のこと。 ある時、先生が「フィールドワークに行くか」と言ってくださって、研究していた人物の出身地である和歌山に一緒に行きました。そこまで研究に付き合ってくださる先生は珍しく、とても熱心に指導をしてくださいました。 今でもその先生の主催するカンファレンスに通っています。
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資格取得への道のりについて教えてください。
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学部時代は心理の基礎を学ぶ4年間。 心理学系の科目は出席できるものはすべて出席し、視野を広げるためにもほかの教養科目も積極的に履修していました。 また、民俗学にもともと興味があったので、学芸員の資格も取得しました。
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受験生へのメッセージをお願いします。
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公認心理師誕生により需要がいっそう高まる心理職。 2017年に公認心理師という国家資格が誕生しました。THUでは、これに対応したカリキュラムが組まれているので、心理職を目指すには、よい環境となっています。 心理学は一般企業のなかでも人間関係を円滑にするシーンや、プレゼンテーションなどで必ず役立つ学問です。だからこそ心理職を目指す人だけでなく、「人の心のメカニズム」に興味がある人にも挑戦してみてほしいです。 ただし、心理職を目指す場合にはしっかりとした覚悟を持ってください。 患者さんと対峙するためには、自分をさらけ出す必要があります。 自分自身の内面を理解し、自身の嫌な面にも正面から立ち向かう覚悟がないと務まらない仕事なので、そのことを理解したうえで、この道に進んでほしいと思います。
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