柔道整復師の現在と今後の展望

現在、日本国内で約6万3千人の柔道整復師がいます。勤務場所は接骨院や整形外科など様々ですが、骨折・脱臼・打撲・捻挫に対し手で施術を行える専門家として活躍しています。薬の処方や手術、レントゲンなどの検査機器を使用せず、すべて人体に対しての知識や手技(技術)、経験によって行われているため、医療業界や国内外からの関心も高まっています。治療家としての柔道整復術をしっかりと熟知していれば、将来的な選択肢や今後の展望が広がっていきます。

福祉と柔道整復師


現代社会では、65歳以上の高齢者の数は3200万人以上となり、総人口に対する割合が25%を超えた高齢化社会に突入しています。高齢者の割合が増加するにあたって、介護の需要がますます高まっています。現在、福祉業界では高齢者に対して身の回りのお世話するのはもちろんですが、何らかの原因で介護が必要になってしまった人に対して機能訓練を行い介護が必要無くなるように元気になってもらおう、介護が必要ない人はこれからも寝たきりにならないように予防していこうという動きが出てきています。

高齢者が抱える問題の一つとして、加齢や疾患に伴う身体機能の低下があげられます。怪我や病気がきっかけで寝たきりになってしまったり、身体機能の低下で運動をしなくなりそのまま寝たきりになってしまったりするケースが多いのです。身体機能や運動能力に対するアプローチは、体の機能を熟知した柔道整復師にとって得意分野で、福祉業界で活躍している柔道整復師が増えています。また、福祉施設の中には、機能訓練指導員(柔道整復師、理学療法士、作業療法士など)を必ず配置しなければならない施設があり、65歳以上の高齢者の割合が増加していく傾向なので、機能訓練指導員としての柔道整復師が必要とされてきています。

予防と柔道整復師


最近の医療現場では、病気の治療だけではなく、早期発見・早期予防に注目が集まっています。柔道整復師として、早期発見・早期予防に焦点を当てると、怪我の悪化防止と生活習慣病の予防ができます。例えば肩を動かすと少し痛みが出ていたのを、自己判断で医療機関にかからなかったことによって悪化し、肩を上げられなかったというようなケースがあります。柔道整復師の場合、薬の処方もレントゲン撮影もできませんが、何が原因で痛みが出ているのかをある程度判別するだけの技術があります。それによって痛みが悪化し、重大な機能障害が出る前に食い止めることができます。

また、生活習慣病の予防に関しては、食事のアドバイスではなく、適切な体の動かし方や運動方法のアドバイス、必要であれば運動メニューの指導・提供も行えます。生活習慣病は、今後も増加の懸念をされているため、地域に根付いた接骨院として地域住民の健康増進を促せる存在になることが期待されています。

災害と柔道整復師


また、柔道整復師は災害救助の現場でも活躍できます。記憶に新しい東日本大震災では、災害の発生によって設置された被災所で柔道整復師がマッサージなどのボランティアを行ったという事例もあります。臨床経験を積んだ熟練の柔道整復師であれば、骨折・脱臼の応急処置はもちろん、同じ痛みでも怪我によるものなのか、何か病気からくるものなのかしっかりと見極め、必要であれば早急に医療機関に送るなど適切な対応をすることができます。災害現場では、十分な医療機器が確保できないため、全て自分の知識と技術で対応できる柔道整復師も被災者の役に立つことができるのです。

スポーツと柔道整復師


スポーツ業界でも需要があり、選手の育成や治療に関わっている柔道整復師も数多く存在します。日本では「医業類似行為とは 疾病の治療又は保険の目的でする行為であって医師・歯科医師・あん摩師・はり師・きゅう師又は柔道整復師等の法令で正式にその資格を認められた者がその業務としてする行為でないものをいう」という裁判所の判断が示されています。医業類似行為が行えるスポーツトレーナーを目指すには、こうした医療系国家資格を取得することが前提条件となります。スポーツトレーナーとして活躍する柔道整復師は多く、他には理学療法士・鍼灸師なども活躍しています。スポーツには怪我が付き物なので、治療のプロで怪我の応急処置ができる柔道整復師が活躍しているのです。

また、とことんスポーツ業界で活躍したい人はアスレティックトレーナーという職業があります。アスレティックトレーナーとは、日本体育協会とジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会という団体が認めている認定の資格で、プロの世界で活躍しているスポーツトレーナーの多くはこのアスレティックトレーナーを取得しています。これから日本体育協会の「公認アスレティックトレーナー資格」を取得するには、同協会の適応コース承認校へ入学するのが一般的です。

日本国内では数々の世界大会が開催され、2020年には東京でオリンピックが開催されます。これからはプロとして活躍している選手はもちろん、現在の中高生を対象に将来のオリンピック選手を育成・サポートしていくことも良いでしょう。

柔道整復師のこれから


柔道整復師という仕事は数々の現場で必要とされており、「痛み」は全ての人が共通して感じるものなので、誰しもが対象となり得ます。色々なものが多様化してきている世の中なので、柔道整復師が活躍できる現場も多様化していくでしょう。
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