薬剤師になるには?仕事内容や目指せる学校も紹介!

薬剤師 更新日 2015.12.21
薬剤師になるには?仕事内容や目指せる学校も紹介!

目次

「薬剤師という仕事にあこがれるけど、どうやったら薬剤師になれるのかな」「薬剤師になるためにはどんな学校に行けばよいのだろう」そんなふうに考える人も多いのではないでしょうか。
薬剤師は、薬局や病院に勤務し、患者さんのお薬を調剤したり、薬の説明をしたりする仕事です。

薬剤師になるためには、薬剤師国家試験に合格しなければなりませんが、就職しやすい職業と言われています。
そこで今回は、薬剤師になるためにはどうすればよいかを解説していきます。

薬剤師になるための学校や、学費についてもしっかり紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

薬剤師とは

薬剤師とはいったいどのような職業なのでしょうか。薬剤師法第1条には、次のように定義されています。
「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」

薬剤師は、ただ薬を扱うだけではなく、薬を通して国民の健康な生活を維持するという役割があるのです。ここからは、薬剤師が実際にどのような仕事をしているのかを深堀りしていきます。薬剤師に興味を持っている人はもちろん、なんとなく知りたいという方もぜひ参考にしてください。

薬剤師の仕事内容

薬剤師とひとくちにいっても、その活躍の場所は色々あります。薬剤師と聞いて多くの人がイメージするのは、病院や薬局で働いている薬剤師ではないでしょうか。

薬局や病院の薬剤師は、医師が発行する処方せんに基づいて薬を準備したり、患者さんに薬の説明をします。
また、ドラッグストアの薬剤師などのように、一般用の医薬品の販売を行うこともできます。

このように薬剤師は、患者さんへ薬の説明を行ったり、薬の販売を行うことが主な仕事となっているのです。ただし、薬剤師は薬のことだけわかっていればいいというわけではありません。薬局や病院、ドラッグストアなど、働く場所によって多種多様な役割が求められます。

では、薬剤師にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここからは、働く場所によって変わる薬剤師の業務内容について説明していきます。

薬局薬剤師の仕事

薬剤師の中で一番多いのは薬局で働く「薬局薬剤師」です。
薬局薬剤師の主な業務は、医師により作成された処方せんに基づき、薬を用意し患者さんに説明することです。

薬を用意することを「調剤」、患者さんに説明することを「服薬指導」といいます。この調剤と服薬指導をすることで、医師の指示を患者さんに明確に伝えることが重要なのです。

場合によっては、処方内容の誤りを医師に確認しなければならないこともあります。患者さんによっては、複数の病院で薬をもらっている場合もあり、飲み合わせのチェックを行うことも大切です。

患者さんは医師に診察してもらいますが、日常の治療は薬で行います。
そのため、その薬に関わる薬局薬剤師の役割は、非常に大きいものといえるのではないでしょうか。

また、ドラッグストアなど処方せんやく以外に一般医薬品を扱う場合は、その販売も薬剤師が行います。
顧客の求めに応じて適切な医薬品を販売し、顧客の健康維持のサポートをすることも薬剤師の大切な業務です。

病院薬剤師の仕事

総合病院など、規模の大きい病院には薬剤師が常駐しています。
病院薬剤師も、薬局薬剤師と同じように調剤や服薬指導を行いますが、病院特有の業務もあるのです。

病院には外来患者だけでなく、入院患者もいます。抗がん剤の化学療法や点滴の患者もいるでしょう。
これらの薬剤の調製や、検査をもとに薬剤の濃度を調製することなど、より臨床に即した業務を求められます。

また、病院に勤務するのは薬剤師だけではありません。医師や看護師など、他の医療職とチームで仕事をします。チーム医療を体験できるのは、病院薬剤師の大きな特徴といえるのではないでしょうか。

その他薬剤師の活躍できる場所

薬剤師が活躍できる場所は、薬局や病院だけではありません。学校の衛生管理を担当する「学校薬剤師」や、製薬企業や医薬品卸で医薬品管理を行う薬剤師など、その活躍場所は多岐にわたります。

行政でも麻薬取締官や自衛隊薬務官など、薬剤師の免許を持って活躍している方が多いです。
このように、薬剤師は多くの場所で活躍し国民の健康維持に貢献しているのです。

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薬剤師になるにはどのような手段がある?

薬剤師が多種多様な場所で活躍していることはわかっていただけたのではないでしょうか。
では、薬剤師になるにはどうすればよいのでしょうか。

薬剤師になるためには、大学薬学部の薬剤師養成コースを卒業し、国家試験に合格しなければなりません。ここからは、その薬剤師になるための大学薬学部について紹介していきます。

薬剤師になってみたいという方は、ぜひ参考にしてください。

薬剤師になるための大学に行かなければならないの?

薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。
薬剤師国家試験の受験資格は以下のように定められています。

「学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学において、薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものに限る。)(以下「6年制薬学課程」という。)を修めて卒業した者」
出典:厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」

つまり、大学薬学部の6年制薬学正規課程を卒業しないと国家試験を受けることができません。他の学部を卒業した人は薬剤師にはなれないのです。

以前は薬学部は4年制課程しかありませんでしたが、平成18年(2006年)からは6年制となりました。
4年制学科を設置している薬学部もありますが、卒業しても受験資格は得られませんので注意しましょう。

薬剤師養成コースに通信制や夜間コースはあるの?

薬剤師になるには、大学薬学部の6年制課程を卒業しなければならないことがわかりました。
では、働きながら薬剤師になりたい人向けに、通信制や夜間コースを設置しているところはあるのでしょうか。

結論からいえば、薬剤師養成コースの通信制や夜間コースは認められていません。薬剤師は、患者さんの健康維持だけでなく時には命を預かる責任重大な仕事です。

化学、生物学などの基礎薬学から臨床薬学など膨大な知識を身に着けなければなりません。病院や薬局での長時間の実務実習も履修せねばならず、通信制や夜間コースでは対応できないのです。

薬剤師国家試験は難しいの?

6年制の薬学部を卒業すると、薬剤師国家試験の受験資格を得られます。
薬剤師国家試験は、年に一回2月に行われており、その年に薬学部を卒業する学生や、卒業生が受験します。

では、薬剤師国家試験は難しいのでしょうか。
厚生労働省によれば、令和5年の薬剤師国家試験の合格率は以下のようになっています。

受験者数は13,915人(このうち新卒8,548人)で、合格者は9,602人(同7,254人)。合格率は69.0%(同84.9%)でした。
参照:厚生労働省「第108回薬剤師国家試験の結果について」

全体で見ると合格率は7割以下ですが、6年制新卒者に限れば合格率はおよそ85%となっています。
薬学部で普段からしっかり勉強していれば、難しすぎるということはないでしょう。

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薬剤師になるための費用は?

薬剤師になるためには、最低でも薬学部に6年間通わなければならないことがわかりました。
次に気になるのは、薬剤師になるためにはいったいどのくらいお金がかかるのか、ということですよね?

一般的な大学は4年制ですが、薬学部は6年制です。つまり単純計算でも通常よりも学費が1.5倍かかってしまいます。しかも、薬学部は理系です。理系は文系と比べると学費も高くなってしまいます。
そこで、ここからは薬剤師になるためにはいったいどのくらいの費用がかかるのかを解説していきます。

国立大学、公立大学、私立大学によって学費は変わってきますのでそれぞれについて紹介していきます。
薬学部への進学に興味のある方はぜひ参考にしてください。

国立大学薬学部の場合

国立大学の学費は国によって標準額が定められており、学部によって基本的に差はありません。

文部科学省の資料「国公私立大学の授業料等の推移」より、国立大学薬学部に入学してから卒業するまでにかかる学費を算出してみます。

他にも大学施設維持費、教材費や、交通費、住宅費などを考えると500万円以上はかかる計算でしょうか。

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公立大学薬学部の場合

公立大学も薬学部も国立大学と同じように、地方自治体によって標準額が設定されています。

文部科学省の資料「国公私立大学の授業料等の推移」より、公立大学薬学部に入学してから卒業するまでにかかる学費を算出してみます。

他にも大学施設維持費、教材費や、交通費、住宅費などを考えると,国立大学と同じく500万円以上はかかる計算です。
また、入学金は地域外からの入学金です。居住地が地域内にある場合、入学金は優遇されます。

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私立大学薬学部の場合

文部科学省の資料「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より、私立大学薬学部に入学してから卒業するまでにかかる学費を算出してみます。

他に大学施設維持費、教材費や、交通費、住宅費などを考えると1,000万円以上はかかる計算になります。
また、この費用は私立大学全体の平均値となっていますので、実際は入学する大学によっても差があるので注意してください。

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薬剤師の学校の選び方は?

薬剤師になるためには国公立薬学部か私立大学薬学部の場合、費用がかなり変わってくることがわかりました。
では、私立大学薬学部には行くべきではないのでしょうか。私立大学薬学部は確かに費用はかかりますが、だからといって行ってはいけないということではありません。

また、薬剤師は就職も安定しているので、かかった学費を回収することは決して難しいことではありません。
ここからは、薬剤師になるための学校の選び方について解説していきます。

もちろん目指せるなら国公立を第一志望に

通常の学部と違い、薬学部は6年制です。そのため、学費は通常の大学生よりも1.5倍かかりますし、医歯薬系は高額になりがちです。
受験勉強は大変ですが、国公立大学薬学部を目指せる学力があるのなら挑戦してみましょう。

私立大学薬学部に通うメリットは?

では、私立大学薬学部に通うメリットはないのでしょうか?

もちろん学費は国公立と比べるとかなり高いです。
ただ、国公立の学生は、そのまま大学院に進学して研究を続けたり、卒業して研究開発職を目指す人が多いです。

それに対し、私立大学薬学部の学生は薬剤師を目指す人が多いといえます。そのため、一般的に私立大学では国家試験対策が手厚いです。

薬剤師を目指すことが目標であれば、私立大学の方が国家試験への対策はしやすいのではないでしょうか。
また、国公立は1学年100人以下のところがほとんどなのに対し、私立大学は200人を超えるところも多いです。

多くの同期や先輩、後輩が多くなるため、今後薬剤師として仕事をする上で人脈を作りやすくなります。

私立大学は、学費が高いことはデメリットですが、奨学金が充実している大学もあります。
成績優秀者には学費が優遇されたり、免除になる大学もありますので、私立大学への入学を検討しても良いのではないでしょうか。

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おすすめの私立大学薬学部の見極め方

では、私立大学薬学部に通うとして、どんな大学を選べばよいのでしょうか。
まず、薬学部に通う目的として、薬剤師になりたいということが一番の目的ではないでしょうか。

その上で、しっかりと参考にしておきたいのが、薬剤師国家試験合格率です。
毎年、薬剤師国家試験の結果を厚生労働省が発表していますが、その際に大学別の国家試験合格率を公表しています。これで明らかに合格率が悪い大学は避けた方がよいでしょう。

また、国家試験対策が充実しているかどうかも注目しておきましょう。
大学によっては、薬剤師国家試験対策予備校の講師を招いての講義を開催してくれるところもあります。

では、国家試験対策が充実していて、国家試験合格率が高い大学は全ておすすめなのでしょうか?
実は、そう単純な話ではありません。どの大学も薬剤師国家試験合格率は重要視しています。

皆さんは、国家試験合格率を上げるために大学ではどのような施策を行っていると思いますか?
もちろん、手厚い試験対策サポートや、優秀な講師陣による授業はどの大学も行っているはずです。学生がしっかりと試験対策に集中できる環境を作り上げるのは、大切なことです。

しかし、もう一つ、合格率を上げる方法があります。
それは、合格できそうにない学生には国家試験を受けさせない、ということです。

進級試験や卒業試験の難易度を上げることで、不合格になりそうな生徒を留年させるのです。
こうすれば、合格できそうな生徒だけが国家試験を受けるということになるのです。
このようにして合格率を引き上げている大学もありますので注意しましょう。

留年すると、余分に学費がかかってしまいますし、場合によっては奨学金の支給停止などもありえます。
入学時の定員に比べて卒業時の人数や国家試験の受験人数が大幅に少ない大学は避けた方がよいかもしれません。

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薬剤師に向いているのはどんな人?

ここまで、薬剤師になる方法や費用、大学の選び方について解説してきました。
では、実際に薬剤師に向いているのはどんな人なのでしょうか。ここからは薬剤師に向いている人の特徴を紹介していきます。自分が向いているかどうかの参考にしてください。

責任感がある人

薬剤師はi医薬品を扱う仕事です。
医薬品には患者さんの健康を維持する力があります。

しかし、誤った使い方をすると、命に関わる重篤な事態を引き起こすこともあり、責任の重さを感じるかもしれません。

そのため、患者さんの命を預かるという意識をもつことのできる、責任感が強い人は薬剤師に向いています。

人の命を預かるという責任はありますが、その分やりがいはある仕事といえるのではないでしょうか。責任の重さはプレッシャーとなるかもしれませんが、それに比例してやりがいも大きくなる仕事なのです。

向上心を持ち、根気よく勉強し続けられる人

薬剤師は言わば薬のプロフェッショナルです。
薬局に在庫している医薬品や、それに関連する病気・治療法に関する高度な知識はもちろん大切です。

それだけでなく、国内外で日々アップデートされる医薬品に関する知識も習得していかなければなりません。

特に新薬の情報や、副作用、使用禁忌に関する情報、多剤との併用注意や併用禁忌については日々更新されていきます。

知識を身につけるために、休日に研修会に出席することもあります。
薬剤師は常に向上心をもたなければならない仕事です。

日頃からコツコツと勉強し、物事に根気よく取り組むことができる人は、薬剤師に向いているのではないでしょうか。

コミュニケーション能力が高い人

薬剤師はただ薬を調剤するだけではありません。
患者さんへの服薬指導をしっかりとこなさなければなりません。

薬剤師は、患者さんと会話し医薬品というサービスを提供するというサービス業の側面もあるのです。
また、多くの患者さんは、すでに診察を受ける病院で長時間待たされていることがほとんどです。

薬局でも必要以上にお待たせしてしまうと、大きなクレームにつながりかねません。
事実、多くの患者さんが薬局に求めることは、待ち時間の短さです。

しかし、処方の内容によってはどうしてもお待たせすることもあるでしょう。
そんな中で薬を調剤し、患者さんに服薬指導しなければなりません。

最低限の会話で、患者さんの治療に必要な情報を引き出すために、薬剤師はコミュニケーション能力を高める必要があるのです。

協調性があり、場の空気を読める人

調剤薬局や病院薬剤部、ドラッグストアの調剤部門は狭い職場です。
人間関係が問題になることもあるでしょう。

一緒に働いて楽しい人ばかりであればよいのですが、性格的に合わない人もいます。
また、仕事への向き合い方や熱量に差を感じることもあるかもしれません。

そんな中でも、協調性を重んじ相手を尊重する姿勢が大切です。
場の空気を読み、協調性を高めることができる人は薬剤師に向いています。

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まとめ

今回の記事では、薬剤師になる方法や費用について解説してきました。
薬剤師になるためには、6年制の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。

薬剤師は、人の命を預かるので、責任は重いですし、日々向上心をもっていなければならない大変な仕事です。
しかし、その分やりがいもある仕事です。患者さんの健康を維持する素敵な職業なので、ぜひチャレンジしてみましょう。

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