卒業生からのメッセージ
マンガ家を目指すことはギャンブルじゃない。
渡辺 静さん
プロフィール
在学中に描き下ろした『学舎オーバードライブ』で週刊少年マガジン新人漫画賞を受賞。マンガ家東村アキコ先生のアシスタントを経験し、現在は『週刊少年マガジン』でSNSの世界を舞台にした作品『リアルアカウント』を連載中。
今就いている仕事
漫画家
■ 漫画家を目指したきっかけは何ですか?
子どもの頃からマンガを読むのが大好きで、いつかはマンガ家になりたいと夢見ていましたが、具体的な進路として思い描いたのは高校2年生の頃。『天上天下』(大暮維人先生)という作品に出会いました。マンガ家の間で今も語り継がれているスタイリッシュな作品で、その新感覚で圧倒的な画力に惹かれました。「自分もこんな作品を描いてみたい」。これまでに味わったことのない感情が自分の中で産声をあげました。
■ 学校で学んだことで何が役立っていますか?
作成したネームを先生方に読んでもらって、ストーリーはもちろんコマ割りの細かいところまで丁寧にアドバイスいただき、「どうしたらおもしろくなるか」を追求することができました。マンガ家は、作品の先に読者がいることを意識して描かなければなりません。OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校では、先生を読者に見立て、くり返しネームを読んでもらったことで、自然と読者を意識した作品づくりの姿勢が身についたと実感しています。
■ この仕事を目指す人へのメッセージ
これからマンガ家を目指すキミに伝えたいのは、一つの作品を描き上げてほしいということ。「もっと上手になったら…」「おもしろいストーリーが思い浮かんだら…」と言って、マンガを描き上げるのを待っているのはもったいない。マンガを描いていると、途中でくじけそうになる瞬間があります。私自身も納得のゆくネームができず、描いては捨て、描いては捨てを繰り返すこともあります。けれど、その困難を乗り越えて、作品を最後まで描くという達成感を味わってほしい。その先にマンガ家としてのスタート地点があるはずです。