調理師は、各都道府県知事が認定する国家資格です。調理師とは、調理に関する技術はもちろん、食品の栄養、衛生、食中毒、適切な調理法など、関連分野の幅広い知識と理解を持つ調理のスペシャリストです。調理の技術以外にも、盛りつけの美しさ、季節感、器との調和など、芸術的センスや感性も問われる仕事といえます。
調理師の活躍の場は様々で、レストラン、料亭、中華料理店などの飲食店をはじめ、給食施設やホテルの厨房、スーパーや百貨店など幅広いです。独立して自分の店を持つ人もいます。店が成功することで大きな収入を得ることができます。調理師免許を持っていれば独立・開業する際に必要な「食品衛生責任者」の資格が申請を行うだけで取得可能になります。また、「フードコーディネーター」の試験科目が一部免除になるなどのメリットがあります。
調理師は一人前になるまでの間は見習い期間が設けられています。下積みの見習い調理師の期間は勉強中の身であるため年収はやや低めですが、一人前の料理人になるためには大切な期間です。平成28年賃金構造基本統計調査によると調理師見習いの平均年収は、調理師の平均年収より84.46万円低い251.64万円となっています。見習いから始め、経験を積んで独立開業し、店が繁盛して1000万円単位の収入を得ている人もいます。努力次第で高収入も夢ではないでしょう。
調理師になるには2通りの方法があります。1つは実務経験を2年以上積んで調理師国家試験に合格し、調理師免許を取得する方法です。もう1つは調理学校に通う方法です。調理学校を卒業すれば卒業と同時に免許を取得できます。調理のスペシャリストを目指している方は料理の技術や衛生、栄養について調理学校で学び、調理師免許を取得することをお勧めします。資格がなくても調理に携わる仕事はできますが、ふぐの調理をする場合に限っては調理師免許とは別に「ふぐ調理師免許」が必要です。2年制の調理学校ではふぐ調理師免許を在学中に取得を目指すところもあります。調理学校でしっかりと学ぶことが調理師として活躍するための一番の近道といえるでしょう。