大学・短大の入試制度の一つである総合型選抜は、近年、専門学校でも実施しており、学校によって総合型選抜の選抜方法や受験の流れは大きく異なります。
「進学が決めたけど、すでに出願時期を過ぎていた…」「時間がなくて対策ができなかった」とならないように、進学先ごとの総合型選抜の違いをご紹介します!
総合型選抜とは、面接を軸に小論文やプレゼンテーションなどの様々な選抜方式で受験生の学ぶ意欲と、学力の3要素から総合的に評価する入試制度になります。
専門学校のAO入試では、学力や評定平均では測れない受験生の「やる気」と「人物」を評価しています! AO入試について詳しく知りたい場合は、こちらを見てみましょう。
学力の3要素は、以下のことを示します。
学習に関わる知識と能力を持っているか(知識・技能)
自ら課題を見つけ出し、課題を解決ができるか(思考力・判断力・表現力)
主体的に行動し、多様な価値観を受け入れ、学習意欲を高められるか(主体性・多様性・協働性)
大学入試改革により、入学者を3つの評価基準から選抜する方法へと変更されました。これは、社会変化に対応することができる人材を育てるために、3つの要素をバランス良く育むことが重要とされています。
また、総合型選抜のポイントとなる学習の意欲では、志望校のアドミッションポリシー(どのような学生を求めているか)を基準に評価するため、志望校のアドミッションポリシーも、しっかり確認しましょう!
総合型選抜は、申込時期から選抜開始時期までのスケジュールを把握しなければなりません。また、専門学校・短大・大学によって時期に特徴があるのをご存じでしょうか。総合型選抜の時期を知り、計画性を持って選抜試験に備えるようにしましょう。
エントリーとは「総合型選抜を受験するための事前手続き」のようなものです。学校によっては、この「エントリー」が出願の条件としている場合もあります。出願まえに済ませておかなければならないので注意しましょう。
各学校のエントリー実施率を見てみましょう。80%以上の専門学校と、約50%の短大で、エントリーが出願条件となっているため、志望校に確認する必要があります。大学では、13%と少ないですが、エントリーを実施している学校もあるので注意しておきましょう。
エントリーと出願の開始時期は学校によって異なります。そこで、専門学校・大学・短大のエントリーと出願の開始時期から各学校の申込時期の違いをご説明します。
各学校のエントリー開始時期を見てみましょう。専門学校の約80%が、6月にエントリーを実施されており、大学は9月、短大が6月と9月に実施される傾向があります。専門学校と短大に進学される方は、4月から5月末までに志望校が決まっていると、エントリーに遅れることないでしょう。
次に出願開始時期を見てみましょう。専門学校は、エントリーと同様に6月に出願が始まっており、各申込を同時期に実施する傾向が高いことがわかります。また、大学と短大は9月以降の出願が多く、エントリーと出願時期が、別々になっている場合があります。
エントリーは「総合型選抜を受験するための事前手続き」に対し、出願は「総合型選抜を受験するための申し込み」です。これらは二つでセットと考えて良いでしょう。
学校によってはエントリー=出願を指す場合があるなど、言葉の意味や使用方法が異なります。不明な場合は個別に学校へ問い合わせるのが良いでしょう。
各学校の選抜開始時期を見てみましょう。専門学校は6月ピークを迎え、9月に次のピークが来ます。大学・短大は9月から10月にかけての選抜実施が多いです。
各学校、出願から選抜実施までの期間が短い可能性があります。特に専門学校はエントリーの開始時期も早いため、新学期が始まるころから志望校の情報を確認しておきましょう。
総合型選抜では、学力の3要素を総合的に判断するために、専門学校・大学・短大によって選抜方法は大きく異なります。各選抜方法を知り、そして突破方法を見ていきましょう。
選抜方法 | 専門学校 | 大学 | 短大 |
---|---|---|---|
面接 | 99% | 93% | 99% |
小論文 | 4% | 23% | 15% |
プレゼンテーション | 3% | 15% | 18% |
学力検査 | 5% | 14% | 4% |
グループワーク | 3% | 3% | 1% |
総合型選抜でもっとも多い選抜方法は、面接になります。特に専門学校と短大では、ほとんどの学校で面接を実施しており、約90%以上の学校が、学生との対話を重視していることがわかります。そのほかにも対話を重視する選抜方法では、プレゼンテーションやグループワークなどが挙げられます。
小論文や学力検査などの学力を重視する傾向にあるのが、大学・短大になります。従来のAO入試と違い、大学入試改革による入試制度の変更で、総合型選抜の選考方法には、 学力試験による評価基準が加わりました。
進学先が、対話を重視するのか、または学力を重視するのかで選抜方法は、大きく変わります。しっかりチェックをしましょう!
ここでは、総合型選抜で用いられる選抜方法をご紹介します。進学先によって、選抜方法が違うのはもちろん、あなたの得意と不得意な選抜方法を見極めることも重要です。一つずつ確認しましょう。
書類選考では、主に志望理由書と調査書(成績証明書)、活動報告書の提出が必要になります。書類を通して、受験生の学習意欲や学力が、自学の評価基準に達しているかを判断しています。また、志望校によっては独自の提出課題が用意されている場合がありますので、志望校の試験内容は、しっかり把握しておく必要があります。
総合型選抜において、面接は最も多い選抜方法になります。面接は、個人面接と集団面接に分けられますが、面接を突破するためのポイントに大きな違いはありません。
面接では、志望理由やガクチカなどテンプレートの質問はもちろん、志望する学部や学科に関連する質問をされることもあります。受験生が、論理的に話を組み立てられているのか、自分の言葉で発言できているかで、受験生の個性や熱意を面接官は見ています。
小論文では、主に思考力・判断力・表現力が問われており、学力を重視する選抜方法の一つして挙げられます。
小論文で最も重要なポイントは、問いに対して自らの意見を読み手に納得させるような論理的思考力と文章力が必要になります。これらの能力を身につけるには、幅広い知識と文章構成力を上げることが必須です。
プレゼンテーションでは、主に思考力・判断力・表現力が問われており、対話を重視する選抜方法の一つして挙げられます。
プレゼンテーションでよく失敗するケースとして、「熱意だけを伝えすぎて内容についていけていない」や「資料しっかり準備できたのに、話の構成と話し方が残念」ということが挙げられます。どんなプレゼンでも、まず初めに結論から言うことで、伝えたいことが明確になり、聞き手にも理解されやすくなります。ぜひ意識してみください。
グループディスカッションとは、お題となるテーマに対して、複数人で討論し、結論を導きだすことです。主に主体性・多様性・協働性が、評価基準となります。
グループディスカッションにおいて重要なのは、チーム主体の選考であることです。あなたの意見を通せばよいわけではなく、チームの意見を受け入れ、結論が出せているかを評価しています。グループディスカッションは、チームリーダーやタイムキーパーなどの役割もあります。あなたが、どの役割が得意なのかを把握しておくことで、討論の場において活躍することができるでしょう。
学力検査には、受験生の基礎的な学力を図る学力検査が多いです。場合によって、大学・短大の大学共通テストやの一般選抜試験も対象となることもあります。このように自学の特色に合った試験が行われる場合もあるので選考内容は、しっかりチェックしておきましょう。
総合型選抜を受けたい・受かりたい人は、以下のステップを参考にし、計画的に試験に備えられるようにしましょう。
まずは、志望校を決めましょう。「どんなことを学んでみたいか?」「志望校で何を学べるのか」「校風が自分と合っている」など、志望校の決め方は様々です。志望校を決めるためにパンフレットの請求やオープンキャンパスに積極的に参加しましょう!
総合型選抜を受けるにはエントリーが必要になる場合があります。学校説明会やオープンキャンパスへの参加を必須とする学校もあるので、エントリーの条件は必ず確認しましょう。
志望校が決まったけど、「エントリーや出願がもうすでに始まっている」とならないように、4月から5月末までにある程度の志望校を決めておくと、エントリーと出願に遅れることはないでしょう。
また出願時は、書類選考に必要な以下の書類を提出します。
提出書類や、受験料の振込は忘れないようにしましょう!
受験対策は、志望校が決まり次第始めていきましょう。志望校の選抜方法と傾向を分析し、入念に対策をする必要があるため、志望校が決まるのが、早いほど受験対策に使う時間を有効活用することができます。
いよいよ試験当日になります。試験対策はバッチリですか?総合型選抜は、書類選考後に主に2パターンの選抜方法に分けられるので注意をしましょう!
志望校によって選抜方法は、大きく異なります。あなたがしていた試験対策が意味なかったとならないように志望校の入試試験要項は、必ずチェックをしておきましょう。
合格後は、入学に必要な書類や、学費の振込などの手続きを行います。入学手続きの際は、ご家族で情報を共有して入学前にトラブルが起きないようにしましょう。
また、入学前に課題が出されることがあったり、入学後に基礎学力を図るテストを行ったりする場合があります。
「進学先の勉強がついていけない…」ならないように最後まで油断をしないようにしましょう。